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経営者やリーダーがティール型組織をつくれない理由──「自分という存在の不在」がもたらす限界

組織が自走しない根本原因は「自分という存在の不在」にある

経営者やリーダーの多くが直面する本質的な課題は、マネジメントスキルや戦略の不足ではありません。
その深層には、「自分という存在の不在」があります。

これは、単に意思決定力やビジョン提示力の問題ではなく、
心の根っこにある“自分への信”が欠如していることに起因します。

外から見れば優秀で責任感が強く、誰よりも組織のことを考えているように見える。
しかしその内面では、常にこんな感覚が渦巻いています。

自信欠如の例
  • 部下を信じて任せられない
  • 現場に過剰に介入してしまう
  • 常に目先の成果や現場からの承認を求めてしまう

そして気づけば、組織を「自走」させるどころか、自分自身が組織の足枷となり、燃え尽きへと向かっていくのです。

目標に依存してきた人生の行き着く先

こうした状態の背景には、長い人生にわたる“目標依存”があります。
幼少期から「大きくなったら立派になるのよ」「親の夢を叶えてね」と言われ、
親自身が達成できなかった自己実現を背負わされる──そんな経験を持つ人は少なくありません。

その瞬間から、自分の本当の願いよりも「他人が期待する目標」を優先し、
“役に立つ自分”を証明するために生きるようになります。

学校でも職場でも、常に「次の目標」に向かって走り続ける。
やがて経営者やリーダーになったとき、その生き方の癖は組織運営にも持ち込まれます。
しかしリーダーの役割は、本来「目標を達成すること」だけではありません。
組織の未来の方向性という、大きな舵を切ることこそが本質です。

ところが、理想を持たずにリーダーになった場合、組織の舵を切る指針が存在しないのです。
だからこそ、再び「目標」だけを追いかける経営に戻ってしまうのです。

目標と理想──その決定的な違い

  • 目標(Goal):達成するために存在するもの。期限や数値で測定でき、手段である。
  • 理想(Ideal):達成できるかは重要ではないが、その方向へ進むという決心。終わりがなく、人生や組織の価値判断の基準となるもの。

変化が激しく、先行きが読めない時代においては、理想主義のリーダーシップが不可欠です。
なぜなら、目標は外部環境や情勢の変化によって容易に崩れてしまう一方で、
理想は外的要因に左右されることなく、困難の中でも進むべき方向を指し示してくれるからです。

理想を持つリーダーは、挫折や停滞に直面しても歩みを止めません。
その揺るがない姿勢こそが、ティール型組織に必要な自走力を育む最大の原動力となります。

幼少期からの「理想不在」がもたらす燃え尽き

理想やパッションは、ある日突然見つかるものではありません。
自分が本当に愛してやまないこと、叶えたいことは、何十年もかけて「これで本当にいいのか」と自分に問い直し続ける中で育まれます。

しかし、幼少期から「自分への確固たる信」がないまま大人になると、そのプロセスを経ることができません。
結果として、心が空っぽなままリーダーとなり、また目標依存の経営を繰り返すことになります。

その末路が、燃え尽き症候群です。
必死に走っても、心の奥では「自分が何のためにやっているのか分からない」という虚しさが消えない。
やがてその空虚さは、マイクロマネジメントや承認欲求の追求といった形で現れ、組織の自走を阻みます。

理想なきリーダーがつくる「依存型組織」

理想を持たないリーダーは、組織に依存構造を生み出します。
部下は常に指示待ちになり、現場の判断力は育たない。
リーダーはその状況を「自分が管理しなければならない理由」に変換し、さらに介入を強めます。

こうしてリーダーの存在は、組織を支えるどころか、成長を阻害する要因になってしまうのです。

自分という存在を取り戻すために

本当にティール型組織を目指すのなら、必要なのは新しいマネジメント手法ではありません。
まずは「自分という存在」そのものを取り戻すことです。

それは、外から与えられた目標を外し、
「自分は何を愛してやまないのか」
「何を成し遂げたいのか」
を深く見つめ直す作業です。

このプロセスを経て初めて、心の根底に“自分への信”が育ち
理想を掲げるリーダーシップが可能になります。

ReBirthが提供する内的リーダーシップの回復

ReBirthでは、こうした内面の再構築を目的にしたセッションと潜在意識ワークを行っています。
セッションでは、自分のリーダーシップの根底にある「投影」の仕組みを明らかにし、
自分の中の『救済衝動』と『破壊衝動』を徹底的に見つめ直します。

ワークの例
  • 権威・会社・職業への投影
  • 子供・パートナー・家族への投影
  • お金・自分の身体への投影

自分と深くつながり直すことで、目標依存の人生から脱し、
自分へのゆるがない信念に基づいたリーダーシップが取れるようになります。

まとめ──理想なき経営は続かない

組織を自走させられない原因は、現場や部下ではなく、リーダー自身の内側にあります。
「自分という存在の不在」から抜け出し、心の根底に“自分への信”を取り戻すこと。
それが、変化の時代を生き抜くリーダーシップの唯一の土台です。

目標を追いかける人生を手放し、今一度、自分と深くつながってみませんか?

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